睡眠障害はメンタルを病む

洗脳の手法の中に、眠らせないというのがある。

判断力、思考力が奪われる。

何より、希望が根こそぎ奪われる。

 

死にたいくらいにメンタルを病んでいる時は、脳を休めるに足る睡眠がとれていないものらしい。

 

私はメンタルを慢性的に病んでいる。

ふとしたきっかけで不安感でいっぱいになり、絶望のどん底に沈み込んでしまう。

苦しい状態を手放したいのに、思考はさらに最悪な状況を求めてしまう。

これ以上悪い事態はないくらいの底に足がつかない感覚が、不安なのだ。

 

最悪な事態を思いつく限り想定してしまうと、今度はそれらがこれから起きる決定事項のように感じられる。

恐ろしくて辛すぎて、耐えられずに市の無料電話相談などにすがってしまう。

よく言われたのが「きちんと眠れていますか」ということ。

 

全く寝ない日はないのと、辛い時期はほぼ横になりきりなので、「寝てます!」とムッとして言った。馬鹿にされているようにしか聞こえなかった。

 

メンタルやられている私にも、悪いことばかりでもなくいいこともたまにはあり、そんな時はメンタル回復できた。そうやって騙し騙し生きてきて、40代も半ばになったある日。

 

その日も気分はどん底で、死にたくて死に方を調べていた。でも痛いの苦しいの寒いの熱いのが大嫌いなので、なかなか思いきれない。一升瓶抱えて樹海にでも行くしかないかと思いつめ、でも誰かにわかってほしい気持ちもあり、カウンセリングを受けた。

 

このカウンセラーの先生には、かれこれ20年くらい断続的に世話になっている。

いつもは話しているうちに気分が落ち着くことが多いのだが、この日はもうどうにもボロボロな状態で、さすがに医療機関を勧められた。

 

紹介された心療内科の先生は、よく話を聞いてくれた上で、レンドルミンを処方してくれた。

寝られているけどなーと思いながらも、なんか頭が徹夜明けみたいな不快感もあったので、とりあえず夜寝る前に飲んでみた。そしたら。。

 

気がついたら、朝。6時間くらい眠ったようだ。夢を見た記憶は全くなく、「ここはどこ?」状態だった。そして脳に透明感が蘇った感覚だった。実際目で見えないけれど。

 

今まで味わったことがない感覚。生まれ変わったかのよう。気分が湖のように静まり返り、落ち着いて、どこにもギアが入っていない状態。

 

ぐっすり眠るって、こういうことだったんだと、はじめてわかった。そして、今までは眠れていなかったことにも気がついた。

 

あれほど絶望していたのに、その時は熟睡できただけでメンタルが回復した。

 

以来、私は睡眠を大切にするようにしている。

夜眠るためには朝活を大切にしているし、自分を大切に扱う時間を取るようにする。就寝時に悪いことを考えないようにする。

 

それでも、元来睡眠障害持ちではあるので、何しても眠れないことはある。そんな時に処方してもらったレンドルミンの力を借りる。

 

レンドルミン心療内科の先生は私を信頼していつもひと月分処方してくれるのだが、気分が最悪の時に容量を守らなかったこともある。その話はまた別の機械に。